■京都迎賓館・晩餐室の綴織壁面装飾制作
ゲスト:(株)川島織物セルコン 明石文雄さん
「麗花」は京都迎賓館 晩餐室正面に掛かっている織物で、幅16.6m×高さ3.1mの劇場の緞帳のような壁面装飾です。日本古来の花を四季に合わせて、約40種類を色とりどりに配置しています。
原画は1/5で、実物はそれを5倍に拡大した物ですが、5倍といっても辺で5倍ですから面積にすると25倍になります。ですから原画上で点と描かれている物でも、十数倍に拡大すると形が変わったり、思ったような表現にならないことが分かってきました。そこで、原寸大に引き伸ばした物に、絵の作者である鹿見喜陌先生に手を入れてもらって、修正を重ねながら原寸大の下絵を作りました。
音声:
下絵は織物の設計図にあたるわけですが、初めから原寸大の下絵を作るのではなく、部分々で下絵を作りながら織りのサンプルを作成し、それでイメージをつかみ全体の下絵を作っていきました。今回は多彩な物でしたので、染めた糸は400色、それらを撚り合わせ1,000色の糸が使用されています。この中にはたとえ一ヶ所しか出てこない色でも、色が違えば新しく糸を染めて作っています。
今回製作していく上で難しかったのは、このように実物があまりに大きいため原画から全体のイメージがつかみにくかったことと、絵画と織物の表現の違いでした。部分的に表現を変えたいということで、正面右の桜のバックには金箔貼などの手法も使われています。綴れ織自体が凹凸のある織り方ですので、それに金箔を貼るというのは今回初めての経験でした。また、無地だと思っていたバックにススキなどの地紋が入ることになり、よこ糸の色によって文様をつくる綴織で、どうすれば地色だけで地紋を表現できるのかと悩んだ結果、文様と文様の境目で糸を折り返す隙間で凹凸の陰影を表現しました。
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