■京都迎賓館の竹垣
ゲスト:「竹又」中川竹材店 中川 裕章さん
「竹又」という屋号で、竹のかごから竹垣に至るまで作っています。創業は1688年(元禄元年)、当時竹は今よりももっと生活に密着していたものだったんでしょうね。
迎賓館の中の竹垣は、デザインも技法も特別なものということではなく、昔からあるやりかたでで作らせていただきました。大きなお庭の空間と空間を仕切るもので、三段になっている50メートルの竹垣は、両面の意匠性が異なっていて、クロモジ垣と竹枝の穂垣が背中合わせになっています。材料はすべて京都の素材で、クロモジは花脊、竹は乙訓の孟宗竹の枝を集めました。しっかりとした選び抜かれた良いものを使っています。
音声:
作り方は昔からと変わらないのですが、現場がなるべくスムーズに効率よく進むように、店で加工できるところはなるべく店で作りました 。竹の枝は自然のものでばらつきがあるので一つ一つ節を揃え、クロモジはと採ってきたままでは曲がっているので撓(た)めるというまっすぐにする作業をして使えるようになります。材料を準備するところから完成まで1年位かかっています。
すべて手作業で、体の調子まで仕上がりに響いてきますからいい加減なことはできません。竹垣は10年、クロモジでしたら20年くらいは持ちます。出来上がったときは壮観できれいでしたが、竹垣というものは周りの建物や庭がある中で馴染んでくるものなので、時間がたつにつれて良い雰囲気が出てきます。
私自身、家業を継ぐかたちで竹屋の仕事に就いてまだ4年ほどですが、10年、20年後にまた迎賓館の仕事をやらせていただくときには技術的にも成長していたいと思っています。 花生けでも主役は花で、竹は脇役であるということを聞かされていますが、少しでも多くの人に竹の持つ素材の優しさや良さをわかっていただけたらと思っています。
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