
■技術・感性の交流“包み込む光”
ゲスト:あかりデザイン工房 田畑教次さん (照明士)
大学卒業後、和装業界で染色、金箔加工や飾り付けの仕事をしていました。和装の技術を利用した商品開発をしていて、和紙と出会いました。
独立したのは7年ほど前。和紙で照明器具を作ることが専門で、基本は職人です。自分の手でほとんどのものを作ります。照明器具の場合、電気用品安全法により電圧のテストなどあります。

*Photo: あかりデザイン工房 アトリエにて
□身近にある和紙の特徴
担当:中村真由美
ふすま、障子、壁紙、照明器具、屏風、書など、身近にある和紙は、あまりにも自然に日常生活の中にあります。和紙として接するというよりも、ふすま、障子、便せん、名刺など「物」として接しています。
その和紙に光り、明かりを通すと和紙そのものの美しさが浮かび上がり改めて見入ってしまいます。
音声:
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☆本日の担当:内藤郁子、中村真由美
田畑さんのお話の続き...
和紙の製作技術のひとつに「形状固定保持」があります。
こんにゃくを塗って石灰で煮るとすごく強いものになりますが、その技術に応用を加えます。玉石をひいておいて、手で押さえオリジナルエンボスを作ります。玉石の自然なかたちが作り出す、凹凸は、おもしろい美しさを持っています。
また、従来の和紙の業界では、「打ち上げ」と呼び失敗とされる製作過程での和紙にも惹かれました。
自然に、あるがままに表現されたその模様は、とても美しく見えました。
その美しいと思う部分やおもしろいと思う部分を照明器具で表現しています。住空間や店舗、くつろぎのスペースやおもてなしの現場に“包み込む光”をお届けします。
技術、感性の交流で異業種との共同作品の製作・開発にも取り組んでいます。薪能ではなく和紙の明かりの中での能や、ワークショップ。和紙のあかり空間の中で食事をする。
墨絵の作家さんと、または、版画の作家さんと照明器具を作ることを目的として版木を作るなど様々な可能性が広がっています。
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