ゲスト:漆芸家 東端 唯さん (東端制作所)
魚谷繁礼建築研究所 魚谷繁礼さん
設計段階から、住宅に日本の伝統工芸である漆を取り入れる空間作りをされたお二人のコラボについてお聞きしました。
「京都まちなかこだわり住宅」コンペで選ばれた住宅には、建材としても漆を用いられています。設計者として、普通、このような仕事を職人さんに頼む時は、具体的に絵を描いて「このようなものを作って欲しい」とお願いするものですが、東端さんの場合には言葉だけで伝えて、アイデアをお互いに出し合いながら設計してゆきました。
京都には漆器など作る職人がたくさん集まっています。昔から茶道具などで特に必要とされてきましたので。ただし壁や床など、大きな建材を扱える漆芸家はなかなかいません。社寺などの建物には、今でも多く漆が使われています。金閣寺の金箔は、漆を磨き上げた下地がないと貼れないとか。
漆の透明感は他では出ないものです。周りの空間を映し込むのが特徴的です。工房の縁側など床にも漆を塗っています。ただし漆は紫外線に弱いので、日が当たるところは漆が落ちてきて木目がだんだん透けてくる。それも味です。
※写真上:魚谷さん、下:東端さん
□伝統工芸のこれから
担当:松尾大地
音声:
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☆本日の担当:小田木洋子、松尾大地