ゲスト:gallery ARTISLONG ギャラリーアーティスロング
黒木 郁子さん(中京区三条堀川西入る一筋角)
三条商店街のアーケードを少し西に入った北側にギャラリーアーティスロングがあります。10年前からはじめたのですが、以前は父が60年間薬局を営んでいました。私の子供の頃は商店街も沢山の人で賑わい、近所で自由に遊んでいました。
三条商店街の廻りには染屋さんが沢山あって、そこで働かれている職人さん達の食事や生活を賄う為の商店街でした。昔は女将さんが従業員の食事をすべて作っていたのですが、今ではお弁当屋さんやコンビニになったり、染屋さん自体もほとんど無くなってしまいました。私も薬剤師になったのですが、10年程前は高齢化が進み商店街の世代交代の時期で、商店街も人影まばらで町家から建て替わったワンルームマンションに住む若い人と商店街は活動する時間帯が全く違うので、いつの間にかシャッター通りになってしまっていました。
父が仕事を引退し、看病しなければいけなくなった事もありますが、駐車場などでは無く、この場所で何か続けながら住んで行きたいという意地があり、何が出来るだろうか?と考えた事がきっかけです。
大小2つのギャラリースペースと坪庭があり、3Fは作家さんが宿泊出来る様になっており、スウェーデン、ドイツなど沢山海外からの作家さんがみえます。
海外の作家さんは特に京都に来るという事に意味があり、作家としての勉強になるらしく、私も仲良くなったオーストリアの作家さんのお宅に先日、泊めて頂きました。向いは八百屋さんですし買い物帰りに覗いて下さる常連さんも増えて来ました。
商店街も最近は若い人達が様々な試みをしたり新しいお店をだしたりして今迄と違った賑わいが戻って来ました。三条通りは歴史もあるたいへん長い通りで、東から金融やマスコミなどの中心街、西に行くと三条商店街などの生活を賄う街と懐の深い通りだと思います。
※写真左:黒木さん、右:東さん
◆京都府建築士会 会員紹介
東 昇平さん 東工務店 一級建築士事務所
京北町で生まれの京北町育ちで、現在もその地で大工をしています。今、地産地消が叫ばれていますが、父の代から住宅に使われる構造材はほぼ100%地元の京北産の木材を使っています。
京北は霧や雪が多いので軒の出や垂木材を大きくしたり、白木のままだと霧のせいですぐに黒くなってしまいますので、防腐も兼ねてベンガラを使ったりしています。ただ最近は、地球温暖化のせいで冬に気温が下がらず、越冬しないはずの害虫が京北では越冬してしまうようになったので、伝統的な住宅に使うノボリ梁の松が採れなくなってしまいました。夏山を見渡すと立ち枯れた木がみえるのはその為なのです。
音声:
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☆本日の担当:衛藤照夫、松尾大地