■普通の町家の暮らし
ゲスト:伏木道雄さん
京都の町家で生まれ育った伏木さんにとって、町家は普通のこと、あたりまえのこと。何も特別なことではないという認識です。建物も暮らし方も住まい方もそうです。ところが昨今、新たに町家暮らしをはじめる人、意識的に町家を望む人が多いことを知り、伏木さんは、自分にとって町家は普通のこと、当たり前ということを意識しはじめたそうです。
小さいころは井戸でスイカを冷やしたり、おくどさんの粉炭で生卵が付いた茶碗を拭いたりしていました。おくどさんで薪を焚き、ごはんはお釜で焚く。流しは洗い出しです。
小さいころの町の暮らしは、連帯感が強かったように思えます。子供が引きつけを起こすと近所のおばちゃんが集まってくるとか。鍵は閉めていなくて、みんな気軽に出入りしていたり。醤油、味噌の貸し借りも日常茶飯事。夕暮れには水をまき、軒先に床几を出して夕涼みをしていた。近所で子供がお世話になったときは、家に戻るなり、お母さんに「おやかましさんどした」と言うてきぃ。といわれてお礼に行かされていました。
◇京町家と生活様式
担当:内藤郁子
職住一致の形態が多いですが、基本的には「町家は住宅」です。住宅は暮らしに合わせて建てられるもので、暮らしが変われば家が変わるのが当然です。住み続けるために、町家を直される理由として上げられるのは、1,構造的に傾いてる、傷んでる、危ない。2,生活の仕方に合わなくなってきた。3,設備が進歩してきた。
ここで2の生活様式の側面から町家を見てみると・・・・